子供の記憶は何歳から鮮明に残るのか。記憶力の不思議
2018.4.29

子供は何歳くらいから物事を記憶することができるのでしょうか。
中には、お母さんのお腹の中の記憶や、さらにそれ以前の記憶を語る子供までいると言います。
何歳くらいになると経験を記憶できるのか。また、昼寝の重要性など子供の記憶に関してのお話です。
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この記事の目次
子供の頃の記憶は何歳になっても残っている?
自分の中の一番古い記憶、幼い子供の頃の記憶にはどんなものがありますか?子供の記憶について、研究からいくつか解っていることをお話しましょう。
ある心理学者は、幼い子供の記憶力についての研究を行いました。子供の記憶力には個人差があるものの、ある出来事について思い出せるようになるのは早くて生後1歳半頃。平均的に3~4歳の頃には、記憶したことを引き出せるようになるといいます。
怖い犬に吠えられた恐怖感。走り回った草原の草のにおい。お母さんの手作りケーキ。そんな小さな出来事の記憶は、時に一生残ります。脳は「におい」や「香り」を長期記憶として留め、忘れにくい記憶として残すのです。
成長するに従い、日々経験する出来事や学ぶことが増え、短い時間に覚えたことをすぐに忘れるようになってしまいます。これは、全てを記憶に残すと脳の負担が大きくなるため、不要な記憶は消されていくためです。
これらの研究の中で、子供の頃の記憶に関して、アジアの子供よりもヨーロッパの子供の方が多くの出来事を記憶しているという結果が出ています。おそらく、西欧の文化はアジアに比べ個人を尊重する傾向があり、自分自身の話をする機会が多いからではないかと考えられています。
子供は何歳になるときちんと記憶できるようになるの?
3歳から4歳頃までの記憶があまり残っていないのは「幼児性権謀」と呼ばれます。しかし、記憶する力は未熟でも全く覚えていることができないのではありません。生後3ヵ月では1週間程度、4ヵ月なら2週間程度の記憶は残ることはわかっています。
ではなぜ多くの人が乳幼児の頃の記憶を思い出すことができないのでしょうか。比較認知科学の研究者によれば、これには二つの可能性が考えられるとのこと。
1.【記名の失敗】
乳児期~幼少期では、学習能力が未発達のために記憶したことを定着することができないというもの。
2.【検索の失敗】
一度、記憶の神経ネットワークに貯蔵されたものの、その後どんどん発達するネットワークに飲み込まれてしまう。これにより、幼少時の記憶を引き出すことができなくなる。
今のところ、どちらにも可能性がありますが有力なのは2の【検索の失敗】説ではないかと言われています。ということは、今は忘れていても、ある瞬間に幼い日の記憶がよみがえってくることもあるかもしれませんね。
ママの胎内を記憶している子供たち。何歳くらいまで覚えている?
赤ちゃんがお母さんのお腹にいた時の記憶を「胎内記憶」と言います。
胎児は早い段階から聞く力が発達すると言われており、お腹の中や外から聞こえるさまざまな音を聴いていたという話をする子供もいるのです。
そんな子供の中には言葉を覚えると、お母さんのお腹にいた時の記憶や、誕生の瞬間のことを話し始める子もいます。不思議なことに「お母さんのお腹に来る前」について話す子もいるというのです。
ただ、胎内記憶は3歳を過ぎた頃から徐々に薄れてしまい、複雑な会話ができるようになる5歳くらいまでには忘れてしまうことがほとんどです。
もちろん個人差もあるので、もう少し成長しても覚えている子供もいます。「ママのお腹にいた時にこんなことがあったよ」という話を突然初めてビックリしたというお母さんもいるようです。
あなたの子供にも、胎内記憶を覚えていないかどうか尋ねてみてはいかがですか?
子供の記憶に密接な関係にある睡眠の役割
大人は1日平均6時間から8時間の睡眠が必要だと言われています。子供は日々の生活からも学ぶことが多くあり、脳も疲労してしまいます。もちろん、成長中で筋力も弱く、エネルギー量が少ないので体も同様です。
これら、脳と身体の疲れを癒し、休息するために必要になるのが昼寝です。
睡眠は脳が記憶したこと、経験した情報を整理する時間でもあるのです。アメリカの大学が研究した結果、昼寝を習慣にしている子供は、昼寝をしない子供よりも記憶力が高いことがわかりました。
睡眠は短期記憶、長期記憶のどちらにも良い影響を与えているのです。
昼寝をする子供は、していない子供に比べて好奇心があり精神的に安定しており、問題に直面しても対処する能力に優れているのです。
子供の昼寝は、心身の成長に大切な役割を果たしているということが科学的にも判明しているのです。
子供の頃の記憶は、その後の成長にも大きく影響している
アメリカの心理学専門誌で発表されたところによると、コミュニケーション能力が高く、精神的な落ち着きがある人たちは、子供の頃の記憶がはっきりと残っているという調査結果が出ました。
子供の頃に経験した辛い記憶と、それを乗り越えた体験を覚えていることが自身の成長を客観的に捉え、アイデンティディーの確率につながるのではないかと考えられます。
また、自分の家系や家族のルーツ・祖父母や両親の出身地などを聞いていた子供には、次のような共通点が見られるといいます。
- ストレスに負けない
- 熱意を持って物事に取り組み、対処することができる
- 落ち込んでもすぐに立ち直れる
- 自分に自信が持てる
これは「自分は一人ではなく、家族というコミュニティの一員である」という安心感から情緒的な安定につながるのではないかと見られています。子供頃に経験した記憶や見聞きした記憶は、人格形成にも大きな影響を与えるのです。
- 雑学